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雇い止めのトラブル

契約社員Fさんは、5年間勤務した実績があり、職務内容も正社員とほぼ等しいものです。今月末日で雇用期間が終了することになっていますが……

人事部長 「Fさん、確か雇用契約は今月いっぱいでしたね。ご苦労様でした」
社員F 「あの…、次回も1年更新でお願いしたいのですが」
人事部長 「それはできませんね。あなたは契約社員ですから、雇用契約に書かれている期間が過ぎたら退職になるんですよ」
社員F 「そんな!これまで何度も更新してきたじゃないですか」

ここがポイント!
有期契約を繰り返している場合、期間の定めのない雇用契約に転化したものをみなされます。解雇の法理を類推適用し、少なくとも30日前までの予告が必要です。

■トラブルを防ぐには?

契約社員やパートなど、有期雇用契約を何度も更新している場合、雇用者側も契約更新されるものと期待感を持つのは自然です。つまり、実質的に期間の定めがない雇用契約、とみなされます。
この場合、職務内容(臨時的か恒常的か)、契約時の説明、更新回数や勤続年数などを客観的に判断し、合理的な理由がなければ期間満了として扱われません。つまり、解雇と同じ手続きを取ることになります。

こうした雇い止めのトラブルを防ぐためには、

有期労働契約を結ぶ際、契約の締結時に更新の有無、更新する場合またはしない場合の判断基準を雇入通知書などで明示する。

(具体例)
→「今回の更新が最後になります」と契約更改時に説明する。

1年以上継続して雇用している労働者に雇い止めをする場合には、少なくとも30日前までに予告をする。

契約更新の手続きを取らず、実質的に雇用継続してしまった場合も、同様の手続きが妥当と考えられます。

また、労働者が雇い止め理由の明示を請求したときは、遅滞なくこれを文章で交付しなければなりません。

■解決策は?

事例では、雇用期間満了として扱うことができません。
今回限りで更新なし、という意思を20日に伝えた場合、月末までの10日間は予告期間として有効となり、残り20日分以上の平均賃金を支払うことになります。もしくは、業務引継ぎのため20日以上の契約を更新する、としても問題ありません。

こうした措置を取らず、Fさんが不当解雇だと主張した場合、それを覆すことは労働基準法の観点から難しいでしょう。

きちんとした手続きを取ることは大切ですが、事前に十分な説明をして理解を求めることで、トラブルを大幅に防ぐことができます。