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労働契約法制〔2005年10月号〕

(2005-10-01)

労働契約法制の最終報告

近年、就業形態の多様化や経営環境の急激な変化、中途採用などで労働条件の個別化が進んでいること等に伴い、個別労働関係紛争が増え続けています。
労働契約全般にわたる公正なルールを法制化する動きとして、厚生労働省の労働契約法制研究会が発足され議論が行われてきましたが、9月に最終報告がまとめられました。
ここでは、労働基準法とは別に、労働契約の分野において民法の特別法となる「労働契約法制」のあり方について述べられています。

労働者の範囲として、労働基準法における「労働者」はもちろんのこと、特筆すべき点は、請負や委託契約などこれまで個人事業主として労働基準法外に置かれていた者を対象に含めて検討していく、という点です。

労働契約の成立(採用内定、試用期間)、変動(配置転換、出向、転籍)、終了(退職、解雇)等に関する要件や、労働者の個人情報保護義務の整備、安全配慮義務、さらに議論を呼んでいる雇用継続型契約変更制の導入について述べられています。

今後、労働政策審議会で審議されていくことになりますが、これまでの判例法理を過度に意識しなくてもルールが明確化され、実務面で大きな影響を受けると考えられます。




健康保険の被扶養者調書について

政府管掌健康保険における定期的な被扶養者の認定状況確認が、今年から毎年実施されることになりました。
具体的なフローとしては、次のようになります。
管轄の社会保険事務所より送付(10月上旬頃)される「健康保険被扶養者調書(異動届)」に、被保険者である社員が必要事項を記載・必要書類を添付し、それを事業主経由で社会保険事務所に提出する、という流れです。

ところで、社会保険の「被扶養者」について、確認の意味で見ていきましょう。税法上とは異なる点がありますので、注意が必要です。

■被扶養者の範囲
(1)従業員の直系尊属
(2)配偶者(内縁関係含む)
(3)子、孫、弟、妹
(4)(1)以外の三親等内の親族
(5)(2)のうち内縁関係の配偶者の父母と子
※(1)(2)(3)の場合、従業員と同居(家計が同じ)でなくても、社員がその生活を支えていれば被扶養者と認定されます。
※(4)(5)の場合、社員がその生活を支えているだけでなく、従業員と同居して家計が同じあることが必要です。

■認定の要件
(1)生活を支えられている人が、従業員と同居して家計が同じの場合
① 認定対象者の年収が130万円(60歳以上か一定の障害者の場合は、その年収が180万円)未満であること。
② 認定対象者の年収が従業員の年収を上回らないこと。
③ 世帯全体を総合的に判断して、従業員の年収が生活を支える中心とみとめられること。

(2)生活を支えられている人が、従業員と別居している場合
① 認定対象者の年収が130万円(60歳以上か一定の障害者の場合は、その年収が180万円)未満であること。
② 認定対象者の年収が従業員からの仕送り額より少ないこと。

今回は政府管掌健康保険が対象となりますが、健康保険組合など他の保険者も健康保険証の更新時に同様の確認がされる予定です。





健康保険料がさらに増額か

厚生労働省は会社員の健康保険料について、保険料算定の基準となる標準報酬月額の上限を現在の98万円から120万円に、賞与は200万円から400万円にそれぞれ引き上げる方針を固めた模様です。2006年医療制度改革の厚労省試案に盛り込む予定で、高所得者層への負担がいっそう重いものになります(施行日は未定)。




労災保険の加入強化~ペナルティ実施

厚生労働省は、使用者が労災保険に加入していない期間に労災事故が発生した場合のペナルティを11月1日から強化する、と発表しました。

具体的には次のような内容になっています。
(1)保険給付の100%を徴収
これは、行政機関から加入指導を受けたにもかかわらず無視している間に、労災事故が発生した場合が該当しますが、故意に手続きを行わないものと認定されます。

(2)保険給付額の40%を徴収
行政機関から加入指導を受けてなくとも、事業開始の日から1年を経過してなお加入手続を行わない期間中に労災事故が発生した場合、重大な過失により手続を行わないものと認定されます。

今回の方針により、場合によって経営を揺るがすインパクトが生じることも否めません。
そもそも、労災保険は政府が管掌する保険であり、原則1人でも労働者を雇用する事業主は、保険加入の手続を行った上で保険料を納付することが義務付けられています。
これは個人事業主であっても、労働者がパートやアルバイトであっても変わりませんので、くれぐれもご注意ください。

※10月1日~10月31日まで、労働保険適用促進月間です。




地域別最低賃金の改定~10月1日より

平成17年度地域別最低賃金の改定額が発表されました(発効は平成17年10月1日より)。
 
東京都    714円
神奈川県  712円
埼玉県    682円

最低賃金とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者はその最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならないとされています。
これはアルバイトやパートタイマーなど非正規社員についても含まれます。

労働契約書等で最低賃金よりも低い賃金が定めても、法律によって無効とされ、最低賃金額と同様の定めをしたものとみなされます。これは労使双方の合意の上であったとしても認められませんので、賃金額決定に際してはぜひ注意したいところです。

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民間給与の平均年収

国税庁が公表した2004年「民間給与統計」によると、平均給与は年収で「439万円」と、前年より51,000円減少(男性541万円 女性274万円) 。集計の対象となったのは、約21,000社(28万5000人)、2004年の年間を通じて勤務した人は、4,453万人。
平均年収が減少している理由として、パートなどの非正規雇用者の増加が挙げられています。

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