公益通報者保護法とは?〔2005年11月号〕
(2005-11-01)
公益通報者保護法とは?
2006年4月1日より、公益通報者保護法が施行されます。近年、事業者内部からの通報が契機となって生活の安心・安全を損なうような企業不祥事が明らかになっています。こうした法令違反行為を労働者が通報した場合、それによって解雇などの不利益取り扱いから保護し、コンプライアンス経営を強化するために成立したものです。
今後、事業側はどのような対応をすればよいのでしょうか?
内閣府は、事業者に求めるガイドラインとして、次のもの挙げています(抜粋)。
・通報窓口や相談窓口、また受付方法を明確に定める
・内部規定を整備する
・秘密保持の徹底
・個人情報の保護(通報者の秘密を守る)
・速やかな調査と法令違反が明らかなになった際の是正措置
・公益通報したことを理由に通報者に対して解雇・不利益取り扱いの禁止
・法令違反が再発していないか、また通報者保護に係るフォローアップ
事業者は上記のような対策を立てるとともに、通報処理の仕組みやコンプライアンスの重要性について、社内通達や電子メール、また研修会や説明会の開催などによって労働者・管理者に対して十分に周知していくことが必要となってきます。
■通報内容に必要な要件とは?
刑法、食品衛生法、JAS法、独占禁止法、医師法、労働基準法、労災保険法、健康保険法、厚生年金保険法、国民年金法、育児介護休業法など、413もの法律に規定される犯罪行為やその他の法令違反行為が生じ、又はまさに生じようとしている場合。
■通報先に応じた保護の要件とは?
・事業者内部(事業者が設置又は指定した通報窓口)
→金品を要求したり、他人をおとしめるなど不正の目的でないこと
・行政機関
→金品を要求したり、他人をおとしめるなど不正の目的でないこと
通報内容が真実であると信じる相当の理由があること
・事業者外部(報道機関や消費者団体など)
→上記の要件に加え、人の生命・身体への危害が発生する急迫した危険がある場合など。
この法律では、パートやアルバイトについても、社員と同様に通報したことを理由とした解雇等の不利益取り扱いは禁じられており、取引先の労働者も法の対象となります。
たとえば、このようなことも考えられます。
・ある労働者が労災事故にあったけれどそれが申請されずに保険給付がない
・一部の労働者について社会保険が適用されていない
このようなことも公益通報の対象となってきますので、十分な配慮が求められます。
内部規定の整備や労働者の社会保険などのご相談は、当事務所までどうぞ。
労災保険の加入手続きはお済ですか?
先月号でもお伝えした通り、使用者が労災保険に加入していない期間に労災事故が発生した場合のペナルティが11月1日より強化されます。
例えば、次のようなケースについてみてみましょう。
S社では、これまで労災事故を発生させたことがなく、また危険業種でもないことから労災保険の加入手続きを行っていなかった。
ところが、社員のT(賃金日額1万円)が労災事故が原因で死亡し、遺族に対して遺族補償一時金が支払われた。
■労災保険の加入について、行政機関から指導等を受けていたにもかかわらず手続きを怠っていた場合
遺族補償一時金(1万円×1000日分)×100%=10,000,000円 が事業主から費用徴収
■労災保険の加入について、行政機関等から指導は受けていないが、労災保険の適用事業主となったときから1年以上経過している場合
遺族補償一時金(1万円×1000日分)×40%=4,000,000円 が事業主から費用徴収
労災事故のケガによって、休業補償が出る場合も費用徴収の対象となってきます。
アルバイト・パート社員のみ雇用であっても、労災保険の加入手続きは必要となってきますので、くれぐれもご注意ください。
労働保険料、第3期の納付期限
労働保険の保険料は、年度当初に概算で申告・納付し、翌年度の当初に確定申告の上精算することになっています。
毎年、4月1日から5月20日までの間に前年度の確定保険料と当年度の概算保険料を併せて申告・納付することを年度更新といいます。
その際、概算保険料額が40万円(労災保険か雇用保険のどちらか一方の保険関係のみ成立している場合は20万円)以上の場合、又は労働保険事務組合に労働保険事務を委託している場合は、労働保険料の納付を3回に分割する事ができます。
第3期目の納付期限は11月30日となっていますので、分割支払いの場合はお忘れなく。
年末調整の準備
年末調整の時期が近づいて参りました。
これまでと違う点は、国民年金保険料(または国民年金基金の掛金)の社会保険料控除を適用する場合、支払いを証明する書類の添付が必要となりますのでご注意ください。
| 上記の内容に関するお問合せは、info@sasaki-sr.net までお送りください。 |
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