トップ > What's new > 人事労務レポート > 雇用保険法・特定受給資格者の範囲改正〔2007年8月号〕

雇用保険法・特定受給資格者の範囲改正〔2007年8月号〕

(2007-08-01)

雇用保険法施行規則等を変更する省令が7月に公布され、特定受給資格者の範囲が明確になりました。
基本手当(いわゆる失業手当)の受給に大きな影響を与える事項ですので、詳しくお伝えします。

雇用保険法・特定受給資格者の範囲改正

これまで、雇用保険法における被保険者資格は、週所定労働時間30時間以上の「一般被保険者」と週所定労働時間20~30時間未満の「短時間労働被保険者」に分類されていました。

これが平成19年10月1日より一本化されることになります。

同時に受給資格要件も改正され、基本手当を受給するためには離職日以前2年間に、被保険者期間が通算して12ヵ月以上必要とされます。
(これまで、一般被保険者の場合、6ヶ月以上とされていたので要注意)

ところが、倒産・解雇等の理由により離職した特定受給資格者については、この被保険者期間が離職日以前1年間に6ヶ月以上で足りるとされています。

そこで、特定受給者の定義として、新たに改正された部分は次のとおりです。

●1年未満の期間の定めのある労働契約の締結に際し、労働契約が更新されることが明示された場合において、労働契約が更新されなかった離職者(1年以上引き続き同一の事業主に雇用されている場合は除く)

●被保険者期間が6ヶ月以上12ヶ月未満で、正当な理由のある自己都合による離職者

【正当な理由とは?】

(1) 体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、視力の減退、聴力の減退、触覚の減退等により離職した者

(2) 妊娠、出産、育児等により離職し、雇用保険法第20条第1項の受給期間延長措置を受けた者

(3) 父若しくは母の死亡、疾病、負傷等のため、父若しくは母を扶養するために離職を余儀なくされた場合又は常時本人の介護を必要とする親族の疾病、負傷等のために離職を余儀なくされた場合のように、家庭の事情が急変したことにより離職した場合

(4) 配偶者又は扶養すべき親族と別居生活を続けることが困難となったことにより離職した場合

(5) 次の理由により、通勤不可能又は困難となったことにより離職した者

i) 結婚に伴う住所の変更

ii) 育児に伴う保育所その他これに準ずる施設の利用又は親族等への保育の依頼

iii) 事業所の通勤困難な地への移転

iV) 自己の意思に反しての住所又は居所の移転を余儀なくされたこと

V) 鉄道、軌道、バスその他運輸機関の廃止又は運行時間の変更等

Vi) 事業主の命による転勤又は出向に伴う別居の回避

Vii) 配偶者の事業主の命による転勤若しくは出向又は配偶者の再就職に伴う別居の回避

(6) その他、企業整備による人員整理等(一定要件あり)で希望退職者の募集に応じて離職した者等


ご覧のとおり、一言で正当な理由といっても、限定列挙で詳細な理由が定められていますので、今後離職手続きの際は特に注意が必要となります。

また、これまで倒産・解雇等の特定受給資格者とされていた範囲についても、以下の通り具体的な内容となってますので、あわせてご確認ください。

【倒産等により離職した者とは?】

(1) 倒産(破産、民事再生、会社更生等の各倒産手続の申立て又は手形取引の停止等)に伴い離職した者

(2) 事業所において大量雇用変動の場合(1か月に30人以上の離職を予定)の届出がされたため離職した者及び当該事業主に雇用される被保険者の3分の1を超える者が離職したため離職した者

(3) 事業所の廃止 (事業活動停止後再開の見込みのない場合を含む。)に伴い離職した者

(4) 事業所の移転により、通勤することが困難となったため離職した者


【解雇等により離職した者とは?】

(1) 解雇 (自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除く。)により離職した者

(2) 労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実と著しく相違したことにより離職した者

(3) 賃金 (退職手当を除く。) の額の3分の1を超える額が支払期日までに支払われなかった月が引き続き2か月以上となったこと等により離職した者

(4) 賃金が、 当該労働者に支払われていた賃金に比べて85%未満に低下した (又は低下することとなった) ため離職した者(当該労働者が低下の事実について予見し得なかった場合に限る。)

(5) 離職の直前3か月間に連続して労働基準法に基づき定める基準に規定する時間(各月45時間)を超える時間外労働が行われたため、又は事業主が危険若しくは健康障害の生ずるおそれがある旨を行政機関から指摘されたにもかかわらず、事業所において当該危険若しくは健康障害を防止するために必要な措置を講じなかったため離職した者

(6) 事業主が労働者の職種転換等に際して、当該労働者の職業生活の継続のために必要な配慮を行って いないため離職した者

(7) 期間の定めのある労働契約の更新により3年以上引き続き雇用されるに至った場合において当該労働契約が更新されないことと なったことにより離職した者

(8) 期間の定めのある労働契約(当該期間が1年未満のものに限る。)の締結に際し当該労働契約が更新されることが明示された場合において当該労働契約が更新されないこととなったこと(1年以上引き続き同一の事業主の適用事業に雇用されるに至った場合を除く。)により離職した者

(9) 上司、 同僚等からの故意の排斥又は著しい冷遇若しくは嫌がらせを受けたことによって離職した者及び事業主が職場におけるセクシュアルハラスメントの事実を把握していながら、雇用管理上の措置を講じなかった場合

(10) 事業主から直接若しくは間接に退職するよう勧奨を受けたことにより離職した者 (従来から恒常的に設けられている 「早期退職優遇制度」 等に応募して離職した場合は、 これに該当しない。)

(11) 事業所において使用者の責めに帰すべき事由により行われた休業が引き続き3か月以上となったことにより離職した者

(12) 事業所の業務が法令に違反したため離職した者


以上、特定受給資格者の内容と改定部分についてお伝えしました。

労働保険料第2期の納付は8月31日までに

労働保険料は概算保険料額が40万円以上の場合(労災保険または雇用保険のいずれか一方の保険関係のみが成立している場合は20万円)または、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している場合は、労働保険料の納付を3回に延納することができます。

労働保険の年度更新において延納を申請した場合、第2期の納付期限は8月31日までです。各事業主先に送付される納付書(8月中に事業主宛に送付)にて、どうぞ納付をお忘れなく。

※法定納期限を過ぎて督促されたにもかかわらず、納付が遅れた場合、延滞金(年14.6%)徴収の対象とされますのでご注意ください。