グレース・パートナーズ社労士事務所

佐佐木由美子のちょっと役立つコラム

雇用継続給付の上限変更と改正事項の確認



 

●こんにちは、グレース・パートナーズの佐佐木由美子です。

今回は「雇用継続給付」の支給限度額等の変更についてお伝えします。

雇用保険の基本手当(失業給付)は「賃金日額」に基づいて算定されます。

この賃金日額には上限額・下限額が設定されていますが、毎月勤労統計の平均定期給与額の増減をもとに毎年8月1日に変更されます。

今回の変更は、平成28年度の毎月勤労統計の平均定期給与額が平成27年度と比べて約0.41%上昇したこと、また「雇用保険法等の一部を改正する法律」の一部が8月1日に施行されることに伴うものです。

2017年8月からの基本手当日額の上限額・下限額は次のページでご確認いただけます。

http://www.sasaki-sr.net/?p=3922

賃金日額の上限額・下限額の変更に伴い、雇用継続給付の支給限度額も変更となります。

御社にも育児休業給付をはじめ、介護休業給付、高年齢雇用継続給付を受けている従業員がいるのではないでしょうか。

給付金の支給額が変わるなど、影響を受ける従業員がいる可能性もありますので、平成29年8月1日からの雇用継続給付の支給限度額を確認しておきましょう。

■高年齢雇用継続給付(平成29年8月1日以後の支給対象期間から変更)

支給限度額:339,560円→357,864円

支給対象月に支払いを受けた賃金の額が支給限度額(357,864円)以上であるときには、高年齢雇用継続給付は支給されません。

また、支給対象月に支払いを受けた賃金額と高年齢雇用継続給付として算定された額の合計が支給限度額を超えるときは、357,864円-(支給対象月に支払われた賃金額)が支給額となります。

最低限度額:1,832円→1,976円

高年齢雇用継続給付として算定された額がこの額を超えない場合は、支給されません。

■60歳到達時等の賃金月額:

上限額:445,800円→469,500円

下限額:68,700円→74,100円

60歳到達時の賃金が上限額以上(下限額未満)の場合は、賃金日額ではなく、上限額(下限額)を用いて支給額を算定します。

■育児休業給付(初日が平成29年8月1日以後である支給対象期間から変更)

支給限度額

上限額(支給率67%)284,415円→299,691円

上限額(支給率50%)212,250円→223,650円

■介護休業給付(初日が平成29年8月1日以後である支給対象期間から変更)

支給限度額

上限額:312,555円→329,841円

○上記の他に、雇用保険において変更があった2点を確認しておきましょう。

1点目は、育児休業給付の支給申請の対象支給単位期間です。

従来、育児休業給付は2つの支給単位期間(2か月)について1回の支給申請を行うこととされていました。

現在は、基本的には2か月に1回支給申請を行うこととしていますが、被保険者本人が希望する場合、1つの支給単位期間について(1か月に一度)、支給申請を行うことも可能とされています。

従業員から毎月給付金を受け取りたいという希望がある場合は、毎月申請するよう対応しましょう。

2点目は、基本手当の受給期間延長の申請期間です。

雇用保険の基本手当は、原則、離職日の翌日から1年以内(以下、「受給期間」といいます)の失業している日について、一定の日数分が支給されます。

しかし、この受給期間内に、妊娠、出産等の理由により引き続き30日以上職業に就くことができない場合は、その期間の基本手当は受給できません。

このような場合、ハローワークに申請することにより、受給期間に、職業に就けない期間を加えることができ、受給期間を最長、離職日の翌日から4年以内まで延長することができます。

これまでは離職日の翌日から30日を過ぎてから1か月以内に申請する必要がありましたが、離職日の翌日から延長後の受給期間の最後の日(離職日の翌日から4年)までの間であれば、申請が可能になりました。

しかしながら、申請期間内であっても、申請が遅い場合は、受給期間延長を行っても基本手当の給付日数の全てを受給できない可能性がありますので、十分に注意しできるだけ早く申請するようにしなければなりません。

今回は実務的な内容となりましたが、従業員から質問があったときに、こうしたことがさらりとお答えできると、信頼度もアップするのではないでしょうか。

※ この投稿内容は、掲載日時点の法律等に基づいて作成しています。




2017年07月24日

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