グレース・パートナーズ社労士事務所

佐佐木由美子のちょっと役立つコラム

会社のサイトに退職社員を掲載したままは問題?

 

こんにちは、社会保険労務士の佐佐木由美子です。
寒い日が続きますが、お変わりございませんか?

ITが高度に発達した情報化社会において、今やホームページなくして、会社や扱うサービスをPRするのは難しい時代です。

たとえば、リクルーティング活動の一環として、先輩社員の声や名前など、個人の写真入りで掲載している場合もあるでしょう。

本人の顔写真と生の声があるのは、親近感が持てるものですし、有効なPR戦略といえます。

ところが、その従業員が退職してしまった場合、会社は顔写真等を含め元従業員の情報をそのまま掲載し続けることは可能といえるでしょうか?

ここで、個人情報保護について考えてみましょう。

平成17年4月に施行された「個人情報保護法」では、あらかじめ本人の同意を得ないで、特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならない、としています(同法16条1項抜粋)。

従業員が退職したのであれば、もはや従業員を紹介するという目的は果たされたといえます。

つまり、退職後も引き続き情報を掲載することは、当初の利用目的の範囲を超えたものとして、個人情報保護法に違反すると考えられます。

元従業員がこうした問題に気づき、個人情報の利用停止を請求することは可能ですし、こうした請求があった場合には、会社も遅滞なく元従業員の顔写真等を削除するなどの措置を取らなければなりません。

問題を放置したままにしておくと、主務大臣より違反を是正するための措置を取るよう勧告されることもあり、さらに是正措置を取らなかった事業者に対して、個人の重大な権利利益が切迫していると認められるときは、勧告にかかる措置を取るように命じることができます。

この命令に従わなかった場合は、6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます(同法第56条)。

このように、直ちに刑罰が科されるわけではありませんし、極めて限られたケースと考えられますが、会社としてはしかるべき対応を検討しておく必要があります。

本人の同意なく写真が掲載され続けたことにより、肖像権を侵害されたとして損害賠償請求がなされる可能性も全く否定はできません。

ホームページから退職した従業員の情報をすぐに削除できない場合、期間を特定して写真がホームページに掲載されることについて、本人の同意を得ておくことがリスクを回避する一つの方法といえるでしょう。

会社側としても、「突然辞めてしまう従業員に困っている」という悩みもあるかもしれませんし、「サイトの運営を委託しているのですぐに対応できない」という場合もあるかもしれません。

できれば、退職後の一定期間後に顔写真等を削除するという内容の書面を交付するとともに、本人の同意を得ておくなどの対応を事前に検討しておきましょう。

掲載期間についても、最小限にとどめることができるように留意してください。

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2015年02月20日

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