グレース・パートナーズ社労士事務所

佐佐木由美子のちょっと役立つコラム

学生アルバイトを雇用する際の留意点

 

●こんにちは、グレース・パートナーズの佐佐木由美子です。

桜の花も散り、新緑が眩い季節になって参りました。外を歩いていると、緑の香りが初夏を感じさせますね。

●さて、新年度も始まり新たにアルバイトを採用したいと考えている会社様も多いのではないでしょうか。

厚生労働省は、昨年に引き続き全国の大学生を対象に、「アルバイトの労働条件を確かめよう!キャンペーン」を実施しています。

本日は、学生アルバイトを雇用する際、特に気を付けていただきたい事項5つをご紹介します。

(1)労働条件の明示

(2)適切な勤務シフトの設定

(3)労働時間の適正な把握

(4)商品の強制的な購入の抑止とその代金の賃金からの控除の禁止

(5)労働契約の不履行に対してあらかじめ罰金額を定めることや労働基準法に違反する減給制裁の禁止

1つずつ、少し詳しくみていきましょう。

(1)労働条件の明示

学生アルバイトであっても、労働者を雇うときに会社は労働条件通知書を交付し、労働条件を明示する必要があります。

次の6つの事項は、必ず書面で明示しなければなりません。

・労働契約の期間

・契約期間の定めがある場合、更新があるか、更新する場合の判断基準

・就業の場所、従事すべき業務

・始業・終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交代制勤務のローテーションなど

・賃金の決定、計算・支払いの方法、賃金の締切・支払の時期

・退職に関する事項(解雇の事由を含む)

またパートタイム労働者については、以下の4つの事項も書面での明示が必要です。学生アルバイトを雇用する場合も当てはまりますのでご注意ください。

・昇給の有無

・退職手当の有無

・賞与の有無

・相談窓口

(2)適切な勤務シフトの設定

学生アルバイトの場合、学業とアルバイトが適切な形で両立できる環境を整えるよう配慮する必要があります。

また、採用時に合意したシフトの変更は、労働者と使用者の合意が必要であり(労働契約法第8条)、使用者が一方的に急なシフト変更を命じることはできません。

(3)労働時間の適正な把握

労働日ごとに始業・終業時刻を確認し、適正に記録しなければなりません。

就業を命じられた業務に必要な準備や片づけの時間、参加することが業務上義務付けられた研修・教育訓練を受講した時間も労働時間となります。

原則として、労働時間の端数は1分も切り捨てることはできません。

(4)商品の強制的な購入の抑止とその代金の賃金からの控除の禁止

アルバイトが希望していないのに、商品を強制的に購入させることはできません。

また、アルバイト本人が希望して商品を購入した場合でも商品代金を賃金から差し引くには労使協定が必要です。

(5)労働契約の不履行に対してあらかじめ罰金額を定めることや労働基準法に違反する減給制裁の禁止

アルバイトの遅刻や欠勤などに対して、あらかじめ損害賠償額等を定めることはできません。

就業規則の定めに基づいて、本来受けるべき賃金の一部を減額する場合であっても、1回の減給金額は平均賃金の1日分の半額を超えてはならず、また複数回にわたって規律違反をした場合も、減給の総額が一賃金支払期における金額の10分の1以下でなくてはなりません。

以上が特に気を付けていただきたい項目です。

実際に法違反となることが多い事例には、次のようなものがあります。

・法定労働時間(1日8時間、1週40時間)を超えて労働させた場合の割増賃金(残業手当)が適切に払われていない

・条件(週1日以上または年間48日以上勤務し、雇われた日から6か月以上継続勤務し、決められた労働日数の8割以上を出勤)を満たすのに、年次有給休暇が与えられていない

・法定の休憩(6時間を超え8時間以下の場合少なくとも45分、8時間を超える場合少なくとも1時間)を与えていない

「学生アルバイトだから」という理由で、法律違反となるような対応がないようご留意ください。

 

※ この投稿内容は、掲載日時点の法律等に基づいて作成しています。

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2017年05月11日

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