グレース・パートナーズ社労士事務所

佐佐木由美子のちょっと役立つコラム

就業制限の対象となる感染症、MERSはどうなる?

 

こんにちは、社会保険労務士の佐佐木由美子です。
梅雨に入り、不安定な気候が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
外を歩くと紫陽花やクチナシの花など、鮮やかな色と香りで楽しませてくれま す。

ところで最近、韓国における中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)の感染拡大が問題となっています。
日本国内においても十分に警戒しなければなりません。

そこで今回は、法令上の就業制限の対象となっている感染症について考えてみましょう。

感染症の予防及び感染症の罹患に対する医療に関する法律(以下「感染症予防法」といいます)において「感染症」とは、「一類感染症、二類感染症、三 類感染症、四類感染症、五類感染症、新型インフルエンザ等感染症、指定感染 症及び新感染症」をいうと規定され、各類型に該当する感染症も具体的に規定 されています。

感染予防法においては、類型ごとに就業制限や必要合理的な措置を講じることになっています。

そこで、法令上就業が禁じられているものについて確認をしておきましょう。

労働安全衛生法では、病毒伝播のおそれのある伝染病の疾病にかかった者については、就業を禁止しなければならないとしています(労働安全衛生規則第 61条1項1号)。

しかし、実際にはどこまでの病気が対象となるかわからない、という声も多く聞かれます。

行政解釈によれば、「伝染させるおそれが著しいと認められる結核」を対象とするものとしています(平成12.3.30基発207)。

しかし、別の行政解釈では、「やむを得ない場合に限り就業を禁止する趣旨」とし、実際に就業制限を行う際には、あらかじめ産業医その他専門家の意見を 聴いたうえで慎重な判断が求められるところです。

感染症予防法では、一類感染症、二類感染症、三類感染症、新型インフルエ ンザ等感染症と診断され、同法に基づき医師が都道府県知事に届け出た者につ いて、その蔓延を防止するために必要がると認めたときは、感染症の種類に応 じて一定期間「特定業務※」または「接客業その他の多数の者に接触する業務」 に従事してはならない旨の通知をすることができるとしています。

※特定業務とは「飲食物の製造、販売、調製または取り扱いの際に飲食物に直接接触する業務及び他者の身体に接触する業務」をいいます。

就業制限の対象となる感染症予防法における類型と疾病名はこちら↓
http://www.sasaki-sr.net/?p=2593

もし、上記の通知を受けた従業員が就業制限の対象となる業務に従事しているときは、会社としてその従業員に対して法令上の就業制限を行う必要がありま す。

それにとどまらず、職場での蔓延を防ぐために産業医等の意見を聴いて、自宅待機等の必要な措置を講じるべきです。

就業制限の対象とならない感染症においても、罹患が疑われる従業員に対しては専門医への受診を促し、産業医や専門医の意見を踏まえて対策を検討すべき です。

診断結果によっては出勤停止などの措置も考えられます。

ところで、今注目を集めている、MERSはどうなるのでしょうか?

平成27年1月21日より、感染症法においてMERSを危険度の高い「二類感染症」に指定しています。

これにより、国内でMERS患者が確認された場合に患者を入院させたり、就業を制限したりするなどの強制的な措置を取られることになります。

感染症については感染拡大を防ぐ迅速な対策が求められます。

企業側としても必要に応じて臨機応変に対応ができるよう社内体制を見直していただければと思います。

 

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2015年06月19日

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