グレース・パートナーズ社労士事務所

佐佐木由美子のちょっと役立つコラム

平成27年1月から変わる高額療養費制度

 

こんにちは、社会保険労務士の佐佐木由美子です。
12月に入り、街が華やぐ季節です。表参道のイルミネーションもつい先日から始まりました。
お近くにお越しの際は、ぜひ冬の風物詩をお楽しみ下さい。

さて、これからの年末年始は、何かと忙しく、気持ちもせわしなくなり、予期しない事故や病気などが起こりやすい時期でもあります。
そんな予期しない事故や病気などで「医療費が高額になってしまった」というお声を、実際の現場で耳にすることがあります。

そんな時にぜひ活用したい制度があります。

それは、「高額療養費制度」という制度です。

「高額療養費制度」は、歴月(月の初めから終わりまで)に医療機関や薬局の窓口で支払った“自己負担額”が一定額(自己負担限度額)を超えた場合に、その超えた金額が「高額療養費」として、健康保険等(協会けんぽや健康保険組合等)から支給される制度です。

実は、この「高額療養費制度」が、来年平成27年1月から一部改正となります。

この改正ポイントと併せて、制度の内容を確認してみたいと思います。

例えば、医療費100万円のうち、3割の自己負担である30万円を窓口にて支払った場合、「高額療養費」の支給申請をすることで、この30万円の自己負担額うち、「自己負担限度額」を超えた額が、「高額療養費」として支給されます。

つまり、

「自己負担額」-「自己負担限度額」=「高額療養費」

となります。

この差し引かれる「自己負担限度額」は、年齢や所得によって異なります。 現在のところ、70歳未満の「自己負担限度額」は、以下3つの区分が設けられています。

<平成26年12月までの区分と自己負担限度額>

【区分A】上位所得者 標準報酬月額53万円以上 150,000円+(総医療費-500,000円) ×1%
【区分B】一般所得者 区分Aでも区分Cでもない 80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
【区分C】低所得者 被保険者が市区町村民税の非課税者等 35,400円

 

ここで、例を挙げて見てみたいと思います。

標準報酬月額28万円のAさんがいらっしゃいます。 このAさんは、【区分B】に該当しますので、「自己負担限度額」は、 「80,100円+(総医療費-267,000円)×1%」で計算します。

例えば、年間の医療費が100万円かかった場合、Aさんの「自己負担限度額」は

80,100円+(1,000,000円-267,000円)×1%=87,430円

そして、Aさんが支払った自己負担が30万円の場合、この30万円から、「自己負担限度額」の87,430円を差し引きます。

300,000-87,430=212,570円

この212,570円が「高額療養費」として支給されることになります。

そして、この「自己負担限度額」が、平成27年1月からの改正ポイントになります。

平成27年1月から、先ほどの3つの区分が、以下5つの区分に細分化されます。

<平成27年1月からの新しい区分と自己負担限度額>

【区分ア】 標準報酬月額83万円以上 252,600円+(総医療費-842,000円)×1%
【区分イ】 標準報酬月額53万~79万円 167,400円+(総医療費-558,000円)×1%
【区分ウ】 標準報酬月額28万~50万円 80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
【区分エ】 標準報酬月額26万円以下 57,600円
【区分オ】 低所得者
被保険者が市区町村民税の非課税者等
35,400円

 

 今回の改正の「自己負担限度額」の区分の細分化は、負担能力に応じた自己負担を求めることを目的としています。

そのため、所得が高額である標準報酬月額が53万円以上の人(改正後の【区分ア】または【区分イ】に該当する人)は、「自己負担限度額」が増えることになります。

前述のAさんなど、標準報酬月額28万円~50万円の人は、改正後は【区分ウ】に該当し、「自己負担限度額」に変更はありません。

他方、標準報酬月額が26万円以下の人は、改正後は【区分エ】に該当し、「自己負担限度額」が引き下げられます。

今回の改正で影響を受ける方も多いと思いますが、「医療費が高額になったとき」には心強い制度です。

しっかりと理解し、確実に利用したいものです。

さらに「高額療養費制度」には、入院や高額な外来が見込まれる場合に、あらかじめ申請しておくことで、医療機関などの窓口での支払いが「自己負担限度額まで」となる「限度額適用認定証」や、さらなる自己負担の軽減が見込める場合がある「世帯合算」「多数該当」などの仕組みもあります。

※ 独自の給付を設けている健康保険等もありますので、詳細は、加入先の健康保 険等へご確認ください。

当グレース・パートナーズ社労士事務所では、こうした各種社会保険手続きの代行サービスを承っております。

御社における社会保険に関する手続き等で煩雑になっていること、不明なことなどございましたら、お気軽にご用命下さい。

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2014年12月05日

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