グレース・パートナーズ社労士事務所

佐佐木由美子のちょっと役立つコラム

平成29年度地域別最低賃金の改定見込とチェック方法

 

こんにちは、グレース・パートナーズの佐佐木由美子です。

雨が続いたかと思えば、今度は猛暑が復活して、体調管理も大変な今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。

 

平成29年度の地域別最低賃金について、すべての都道府県の改定額が答申されました。

答申での全国過重平均額は昨年度から25円引き上げの848円となっています。

 

答申された改定額は、都道府県労働局での関係労使からの異議申出に関する手続を経たうえで、都道府県労働局長の決定により、9月30日から10月中旬までに順次発効される予定です。

 

各都道府県の改定額及び発行予定年月日は厚生労働省のHPでご確認いただけます。

http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11201250-Roudoukijunkyoku-Roudoujoukenseisakuka/0000174738.pdf

 

新しい最低賃金が発行されると次のページが順次更新されます。

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/

 

東京都は発行年月日を平成29年10月1日とし、最低賃金額が昨年度から26円アップの【958円】に改定される見込みです。

 

仮に最低賃金額より低い賃金を労働者・使用者双方の合意のうえで定めたとしても、それは法律によって無効とされ、最低賃金額と同額の定めをしたものとされます。

 

使用者が労働者に最低賃金未満の賃金しか支払っていない場合には、使用者は労働者に対してその差額を支払わなくてはなりません。

 

なお、地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められています。

 

○最低賃金の対象となる賃金は毎月支払われる基本的な賃金であり、次に該当する賃金は対象となりません。

 

(1) 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)

 

(2) 1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)

 

(3) 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)

 

(4) 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)

 

(5) 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)

 

(6) 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当

 

○最低賃金は時給制の従業員だけでなく、日給制、月給制などすべての従業員に適用されます。

 

時給制の場合は、時間給が最低賃金額以上となっていることを確認する必要があります。

 

日給制、月給制の場合のチェック方法は、以下の通りです。

 

<日給制の場合>

 

日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間額)

 

ただし、日額が定められている特定(産業別)最低賃金が適用される場合には、日給≧最低賃金額(日額)

 

<月給制の場合>

 

月給÷1箇月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)

 

月給制の場合について、具体的な例を用いて、チェック方法を確認してみましょう。

 

(注)時間給換算方法について、就業規則等に会社の定めがある場合は、会社の定めに従い時間給換算を行ってください。

 

東京都で働くAさんは月給制で、先月の給与は総支給額235,700円でした。

 

内訳は、基本給が月138,000円、職務手当が月20,000円、通勤手当が月18,000円、時間外手当が59,700円です。

 

Aさんの会社は、年間所定労働日数は248日、1日の所定労働時間は8時間であり、1箇月平均所定労働時間は165.33時間です。

 

基本給   138,000円

職務手当  20,000円

通勤手当  18,000円 ← 最低賃金の対象とならないため除く

時間外手当 59,700円 ← 最低賃金の対象とならないため除く

合計     235,700円

 

まず、合計額から最低賃金の対象とならない通勤手当と時間外手当を除きます。

 

235,700円-(18,000円+59,700円)=158,000円

 

次に、この金額を時間額に換算し、最低賃金額(東京都)と比較します。

 

平成29年度改定前:158,000円÷165.33≒955円>932円 ←○

 

平成29年度改定後(見込):158,000円÷165.33≒955円<958円 ←×

 

Aさんの時間額は955円ですので、見込み通りに10月1日以降に地域別最低賃金が958円に改定された場合、改定後の地域別最低賃金を満たさなくなってしまいます。

 

発効日以降におけるAさんの給与は、最低賃金を上回るよう調整しなければなりません。

 

最低賃金が改定される際には、最低賃金を下回る従業員がいないかを必ず確認してください。

 

 

※ この投稿内容は、掲載日時点の法律等に基づいて作成しています。


2017年08月29日

Backnmber