グレース・パートナーズ社労士事務所

佐佐木由美子のちょっと役立つコラム

平成29年算定基礎届提出における注意点

 

●こんにちは、社会保険労務士の佐佐木由美子です。

紫陽花の花が色付く季節になりました。お元気でお過ごしですか?

● さて、今年も算定基礎届提出の時期が近付いて参りました。

そこで今回は、算定基礎届の事務手続きに関する留意点をお伝えします。

算定基礎届は、毎年1回、7月1日現在におけるすべての社会保険の被保険者の標準報酬月額を決定するために提出します。

算定基礎届の提出により決定(これを定時決定といいます)された標準報酬月額は、原則として1年間(当年9月から翌年8月まで)、保険料の計算や将来受け取る年金額等の計算の基礎となります。

昨年10月から「短時間労働者」という被保険者の区分が増えました。

短時間労働者は、「特定適用事業所」又は「任意特定適用事業所」に勤務し、短時間労働者の4要件を満たす従業員です。

・週の所定労働時間が20時間以上あること

・雇用期間が1年以上見込まれること

・賃金の月額が8.8万円以上であること

・学生でないこと

「特定適用事業所」とは、社会保険の被保険者が常時501人以上の企業または国・地方公共団体に属する事業所です。

「任意特定適用事業所」とは、被保険者数が常時500人以下の労使合意に基づき申出をする法人・個人の事業所です。2017年4月1日から、適用対象が広がりました。

後述しますが、短時間労働者は他の被保険者と異なる算定方法となりますので、ご注意ください。

● まず対象者を確認しましょう。

算定基礎届の提出が必要な人は、以下の通りです。

・5月31日以前に資格取得をした被保険者で7月1日現在に在職中の人

7月1日以降に退職する被保険者や休職中、産休・育児・介護休業中の被保険者も含まれますので、ご注意ください。

一方、次の方は算定基礎届の提出が不要です。

・6月1日以降に資格取得した被保険者

・6月30日以前に退職した人

・7月、8月、9月に月額変更届や産休・育休終了時変更届を提出予定の人

なお、総括表および総括表附表は、本年7月1日現在の被保険者数を確認するための届ですので、全ての被保険者が上記に該当する場合も必ずご提出ください。

●次に報酬月額の算定方法について確認しましょう。

算定基礎届には、対象者の4月・5月・6月に支払われた報酬の額、平均額等を記入します。

この報酬とは、給与、賃金、手当等の名称に関係なく、原則として事業主から被保険者である従業員が労働の対象として受けるものすべてをいいます。

したがって、通貨で支払われるものに限らず、通勤定期券や食事・住宅など、現物で支給されるものも報酬となります。

現物で支給される食事や住宅などは、厚生労働大臣が都道府県ごとに告示で定めた標準価額に基づいて通貨に換算したうえで報酬に算入します。

平成29年度は現物給与の価格が改定されていますので、以下でご確認ください。

https://goo.gl/CFj2F2(日本年金機構 現物給与の価額のページです)

報酬とならないものとしては、結婚祝金や病気見舞金など会社から恩恵的に支給されるものや、大入り袋など臨時的に受けるもの、出張旅費や交際費など実費弁償的なものが挙げられます。

なお、年3回以下に支給される賞与は、標準賞与額として賞与支払届により届出るため、月額の報酬には含まれません。

● 最後に算定基礎届を記載するに際に注意が必要な項目を確認しましょう。

<支払基礎日数>

被保険者が月給制の場合は、基本的に出勤日数に関係なく給与の支払対象期間である暦日数を支払基礎日数に記載します。

ただし、欠勤日数分だけ給与が減額されるような場合は、賃金規程等に基づいて会社が定めた日数から欠勤日数を差し引いた日数が支払基礎日数となります。

日給・時給者は出勤日数を支払基礎日数に記載します。

<合計、支払基礎日数17日以上の月の報酬月額の総計、平均額>

支払基礎日数が17日未満の月は除外する点にご注意ください。

4月や5月に途中入社したケースでは、支払基礎日数を満たしていても、1カ月分が支給されなかった場合にはその月は対象から除き、翌月から算定対象月とします。

4月・5月・6月のうち、支払基礎日数が17日以上の月が1ヵ月以上あれば、17日以上の月の報酬の平均で決定します。

さらに、パートタイマー(短時間就労者)の場合は、基準が異なりますので注意が必要です。

○ パートタイマーは、17日以上の月が1ヵ月以上あれば、17日以上の月の報酬の平均額で決定しますが、支払基礎日数が17日以上の月がない場合、15日以上の月が1ヵ月以上あれば15日以上の月の報酬の平均額を計算します。

支払基礎日数がすべて15日未満の場合は、従前の標準報酬月額で決定されますので、総計と平均額は記入しません。

パートタイマーの場合は忘れずに<備考>に“パート”と記載しましょう。

○ 短時間労働者は、支払基礎日数が11日以上の場合の月の平均額を計算します。

11日以上の月がない場合は、従前の標準報酬月額で決定します。

短時間労働者の場合は忘れずに<備考>に“短時間”又は“短”と記載します。

短時間労働者である月と短時間労働者でない月が混在している場合は、各月の被保険者区分(短時間労働者であるかないか)に応じた支払基礎日数により算定対象月を判断します。

また対象月の被保険者区分は、報酬の給与計算期間の末日における被保険者区分とします。

● その他、70歳になると厚生年金保険の被保険者資格を喪失する手続きを行いますが、在職老齢年金の支給調整が行われるために、「厚生年金保険70歳以上被用者算定基礎・月額変更・賞与支払届」にて届出を行う必要があります。

算定基礎届総括表・総括表付表についてももれなく記載して、算定基礎届と一緒に提出してください。

算定基礎届の提出は、原則として7月1日から7月10日までとなります。

定時決定(算定)時調査の通知がある場合、算定基礎届を賃金台帳や出勤簿などの確認書類と一緒に、指定された日時に管轄の年金事務所(又は指定された会場)へ持参する必要があるので、合わせてご注意ください。

●グレース・パートナーズ社労士事務所は、算定基礎届の提出や定時決定時調査対応をはじめ、社会・労働保険の手続き、就業規則の作成等承っています。

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http://www.sasaki-sr.net/

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2017年06月20日

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