グレース・パートナーズ社労士事務所

佐佐木由美子のちょっと役立つコラム

平成30年算定基礎届提出における留意点

 

●こんにちは、グレース・パートナーズの佐佐木由美子です。

早いもので今年も半分が過ぎ去ろうとしていますが、皆さまお元気でお過ごしでしょうか。

まもなく7月、ということで、今回は算定基礎届の事務手続きに関する留意点をお伝えします。

●まず、算定基礎届の様式は今年から変更されています。

従来、70歳以上被用者については、70歳以上被用者用の様式で届出を行っていましたが、一般の被保険者の算定基礎届に様式が統合されました。

また、算定基礎届総括表附表(雇用に関する調査票)が廃止となっています。

●算定基礎届は、毎年1回、7月1日現在におけるすべての社会保険の被保険者の標準報酬月額を決定するために提出します。

算定基礎届の提出により決定(これを定時決定といいます)された標準報酬月額は、原則として1年間(当年9月から翌年8月まで)、保険料の計算や将来受け取る年金額等の計算の基礎となります。

一昨年10月から「短時間労働者」という被保険者の区分が増えました。

短時間労働者は、「特定適用事業所」又は「任意特定適用事業所」に勤務し、短時間労働者の4要件を満たす従業員です。

・週の所定労働時間が20時間以上あること

・雇用期間が1年以上見込まれること

・賃金の月額が8.8万円以上であること

・学生でないこと

「特定適用事業所」とは、社会保険の被保険者が常時501人以上の企業または国・地方公共団体に属する事業所です。

「任意特定適用事業所」とは、被保険者数が常時500人以下の労使合意に基づき申出をする法人・個人の事業所です。

後述しますが、短時間労働者は他の被保険者と異なる算定方法となりますので、注意が必要です。

また、パートタイマーである短時間就労者とは異なる点もご注意ください。

● まず、算定基礎届の提出が必要な人は、以下の通りです。

・5月31日以前に資格取得をした被保険者で7月1日現在に在職中の人

7月1日以降に退職する被保険者や休職中、産休・育児・介護休業中の被保険者も含まれますので、ご注意ください。

一方、次の方は算定基礎届の提出が不要です。

・6月1日以降に資格取得した被保険者

・6月30日以前に退職した人

・7月、8月、9月に月額変更届や産休・育休終了時変更届を提出予定の人

なお、総括表は、本年7月1日現在の被保険者数を確認するための届ですので、全ての被保険者が提出不要に該当する場合も必ず提出する必要があります。

●次に報酬月額の算定方法ですが、算定基礎届には、対象者の4月・5月・6月に支払われた報酬の額、平均額等を記入します。

この報酬とは、給与、賃金、手当等の名称に関係なく、原則として事業主から被保険者である従業員が労働の対象として受けるものすべてをいいます。

したがって、通貨で支払われるものに限らず、通勤定期券や食事・住宅など、現物で支給されるものも報酬となります。

現物で支給される食事や住宅などは、厚生労働大臣が都道府県ごとに告示で定めた標準価額に基づいて通貨に換算したうえで報酬に算入します。

平成30年度は現物給与の価格が改定されていますので、以下でご確認ください。

http://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-kankei/hoshu/20150511.files/2018.pdf

報酬とならないものとしては、結婚祝金や病気見舞金など会社から恩恵的に支給されるものや、大入り袋など臨時的に受けるもの、出張旅費や交際費など実費弁償的なものが挙げられます。

なお、年3回以下に支給される賞与は、標準賞与額として賞与支払届により届出るため、月額の報酬には含まれません。

前年の7月からその年の6月までに4回以上の賞与が支払われた場合は、支払われた賞与の合計額を12ヵ月で割った額を各月の報酬に加え、報酬月額を算出します。

● 算定基礎届の「給与計算の基礎日数」は、次のとおり記載します。

・被保険者が月給制の場合・・・給与の支払対象期間である暦日数

・被保険者が日給・時給制の場合・・・出勤日数

ただし、月給制の場合で欠勤日数分だけ給与が減額されるような場合は、賃金規程等に基づいて会社が定めた日数から欠勤日数を差し引いた日数とします。

算定基礎届の「合計」、「総計(一定の基礎日数の月のみ)」、「平均額」の記載には注意が必要です。

一般の被保険者について、基礎日数が17日未満の月は除外します。

対象としない月の合計欄は横棒を引き、総計と平均額に含めません。

4月や5月に途中入社したケースでは、基礎日数を満たしていても、1ヵ月分が支給されなかった場合にはその月は対象から除き、翌月から算定対象月とします。

4月・5月・6月のうち、基礎日数が17日以上の月が1ヵ月以上あれば、17日以上の月の報酬の平均で決定します。

パートタイマー(短時間就労者)の場合は、基準が異なりますのでご注意ください。

○ パートタイマーは、基礎日数が17日以上の月が1ヵ月以上あれば、17日以上の月の報酬の平均額で決定しますが、基礎日数が17日以上の月がない場合、基礎日数が15日以上の月が1ヵ月以上あれば15日以上の月の報酬の平均額を計算します。

基礎日数がすべて15日未満の場合は、従前の標準報酬月額で決定されますので、総計と平均額は記入しません。

パートタイマーの場合は忘れずに<備考>の“7.パート”を丸で囲んでください。

○ 特定適用事業所等における短時間労働者は、基礎日数が11日以上の月の平均額を計算します。

11日以上の月がない場合は、従前の標準報酬月額で決定します。

短時間労働者の場合は忘れずに<備考>に“6.短時間労働者(特定適用事業所等)”を丸で囲みます。

短時間労働者である月と短時間労働者でない月が混在している場合は、各月の被保険者区分(短時間労働者であるかないか)に応じた基礎日数により算定対象月を判断します。

また対象月の被保険者区分は、報酬の給与計算期間の末日における被保険者区分とします。

● 今年から附表は廃止されましたが、算定基礎届総括表はもれなく記載して、算定基礎届と一緒に提出してください。

算定基礎届の提出は、原則として7月1日(今年は7月2日)から7月10日までとなります。

定時決定(算定)時調査の通知がある場合、算定基礎届を賃金台帳や出勤簿などの確認書類と一緒に、指定された日時に管轄の年金事務所(又は指定された会場)へ持参する必要があるので、合わせてご注意ください。

 

※ この投稿内容は、発行日時点において明らかとなっている法律内容に基づき記載しています

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2018年06月14日

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