グレース・パートナーズ社労士事務所

佐佐木由美子のちょっと役立つコラム

役員は注意!2以上の事業所に勤務するときの社会保険手続

 

こんにちは、社会保険労務士の佐佐木由美子です。
関東地方は一気に真夏のような暑さですね。
早くもクールビズ・スタイルでお仕事をされている方も多いのではないでしょ うか。

さて、今回は2か所以上の事業所に勤務するときの社会保険の取扱いについて お伝えします。

社会保険において、同時に2か所以上の適用事業所に勤務し、複数の事業所 で被保険者に該当するときは、それぞれの事業所で被保険者資格を取得します。

「すでに社会保険に入っているから、加入する必要はない」と思われるかもし れませんが、それは誤解です。

会社の従業員が複数の適用事業所において、同時に被保険者となる例は少ない と思いますが、法人の役員等が複数の適用事業所において、役員を兼任して被 保険者となるケースは、珍しくありません。

従業員については、臨時に使用される人や季節的業務に使用される人を除いて 就業規則や労働契約などに定められた通常の従業員の所定労働時間及び所定 労働日数のおおむね4分の3以上働く場合に、健康・厚生年金保険の被保険者 に該当します。

一方、役員の被保険者の考え方については、(昭和24年7月28日保発74号を 補う)日本年金機構の運用解釈によると、以下の6つの要素から総合的に勘案 して判断することとされています。

1.事業所に定期的に出勤しているか

2.法人における職以外に多くの職を兼ねていないか

3.役員会等に出席しているか

4.役員への連絡調整または職員に対する指揮監督をしているか

5.法人に対してどの程度意見を述べ、影響を与える立場にあるか

6.法人からの報酬の支払いの実態(社会通念上労務の内容に相応したもの であって実費弁償程度の水準にとどまっていないか)

(注)上記項目はあくまでも例として示すもので、たとえば定期的な出勤につ いては、経常的な労務の提供を判断する一つの要素であり、本来法人の代表者 としての職務は事業所に出勤したうえでの労務の提供に限定されるものでは ないことから、定期的な出勤がないことだけをもって被保険者資格がないとい う判断にはなりません(日本年金機構「疑義照会回答」平成23年10月分参照)。

複数の事業所に勤務するようになった場合、新たに勤務する事業所において も被保険者の資格があるときは、新たに勤務する事業所において「被保険者資 格取得届」を提出しなければなりません。

加えて、被保険者が選択するいずれかの事業所を管轄する年金事務所に「被保 険者所属選択届・二以上事業所勤務届」を届け出ます。

この「被保険者所属選択届・二以上事業所勤務届」は、複数の事業所で被保険 者資格を取得したことにより、管轄する年金事務所等が複数になる場合は、主 たる保険者および年金事務所を選択、管轄する年金事務所等が同じ場合は、主 たる事業所を選択するものです。

結果、被保険者は自らが選択した保険者から交付された「健康保険被保険者証」 を使用することになります。

※ 保険者として健康保険組合を選択した場合であっても、厚生年金保険の事 務は年金事務所が行います

次に、社会保険料の取り扱いについて考えてみましょう。

保険料の算定基礎となる標準報酬月額は、各事業所における標準報酬月額を合 算して決定します。

それぞれの事業所が納付する保険料額は、合算して決定した標準報酬月額の保 険料額を、それぞれの事業所の標準報酬月額に基づき按分して算出される金額 となります。

社会保険料は、それぞれの事業所で徴収した保険料を、それぞれの事業所が被 保険者により選択された事業所を管轄する年金事務所等へ納付します。

少々わかりにくいですが、役員を兼任する場合等があれば、被保険者に該当す るか確認をして、適切な手続きを行うようにしましょう。

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2015年05月18日

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