グレース・パートナーズ社労士事務所

佐佐木由美子のちょっと役立つコラム

意外と知られていない傷病手当金の活用法

 

●こんにちは、グレース・パートナーズの佐佐木由美子です。

連休が終わってしまいましたが、楽しい時間を過ごされたでしょうか?

リフレッシュできた方がいる一方、仕事が憂鬱で…という声も。この時期、「5月病」という言葉があるとおり、心身に不調をきたす人も少なくありません。

そこで、今回は体調不良で働けない日々が続く場合に活用できる「傷病手当金」の制度について、お伝えいたします。

●健康保険の被保険者である従業員が業務外の病気やケガのために仕事を休み、会社から十分な給与を受けられない場合に、生活保障として「傷病手当金」の制度があります。

傷病手当金は、次の条件をすべて満たしたときに支給されます。

業務外の事由による病気やケガの療養中であること

病気やケガの療養のために今まで行っていた仕事に就けないこと

連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと

休業した期間に給与の支払いがないこと(給与を受ける場合、傷病手当金の額よりも少ないときは差額が支給)

療養については、医師が労務不能であると証明があれば、自宅療養の期間も支給対象となります。

また、病気やケガの療養のために仕事を休んだ日から連続する3日間を「待期期間」といいますが、これには年次有給休暇を使った日や土日・祝日等の公休日も含まれ、給与の支払いがあったかどうかは関係ありません。

意外とこの点を見逃していて、労働日に休んだ日しか対象とならない、と誤解している方も多いので、ご留意ください。

たとえば、金曜日に病気を発症して仕事を休み、土曜・日曜日が公休日の会社であれば、連続3日間の待期が成立し、翌週の月曜日から(労務不能の状態が続いていれば)支給対象となります。

ポイントは連続3日の休業後、4日目から対象となりますので、仮に連続して2日間会社を休んだ後、3日目に働いた場合は、待期期間は成立しません。

●傷病手当金が支給される期間は、支給を開始した日から最長1年6か月まで。かなり長期にわたって生活保障を受けられる点で、民間の医療保険と比べても大変手厚いといえます。

仮に、1年6か月の間に仕事に復帰したものの、後で同じ病気を再発して働けなくなったような場合について、その復帰期間は1年6か月に算入されます。

支給額については、2016年4月に改正があったので注意が必要です。

改正前は、「支給を始める日の属する月の標準報酬日額の3分の2に相当する額」でしたが、現在は1日につき、「傷病手当金の支給開始月を含む直近の12ヵ月間の各月の標準報酬月額を平均した額の30分の1に相当する額の3分の2に相当する額」となります。

なお、支給開始日以前の期間が1年に満たないときは、次の1、2を比べて少ない方の額で計算されます。

支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額

加入している健康保険組合における前年度の9月30日時点の全被保険者の標準報酬月額の平均額(協会けんぽの場合は28万円)

加入している健康保険組合によっては、上記に加えて「付加給付」がもらえる場合もあるので、各組合の情報を入手しておくと安心ですね。

なお、待期期間中の3日間については支給の対象となりませんので、手持ちの年次有給休暇があれば、それらを使ってカバーするのが賢いやり方といえるでしょう。

こうした制度があっても、活用しなければ意味がありません。働く人自身が知っていればいうことはありませんが、会社側からの働きかけにより、安心して療養ができるように配慮することも大切なことといえるでしょう。

 

※ この投稿内容は、掲載日時点の法律等に基づいて作成しています。

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2017年05月11日

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