グレース・パートナーズ社労士事務所

佐佐木由美子のちょっと役立つコラム

毎月勤労統計調査に係る雇用保険等の追加給付

 

●こんにちは、グレース・パートナーズの佐佐木由美子です。

みなさんは「毎月勤労統計」という調査をご存じでしょうか。

「毎月勤労統計調査」とは、賃金、労働時間及び雇用の変動を明らかにすることを目的に、国の重要な統計調査である基幹統計調査として厚生労働省が実施しているものです。

従業員500人以上の事業所はすべて調査することになっていますが、2004年以降、東京都では3分の1程度の事業所だけを抽出して調査していることが明らかとなりました。

この結果、統計上の賃金額が低めに出ており、同調査の平均給与額の変動を基礎としてスライド率等を算定している雇用保険、労災保険、船員保険の給付額に影響が生じています。

 このため、2004年以降に雇用保険等の給付を受給した方の一部に対し、追加給付が実施されることが明らかとなりました(現在受給中の方も該当する可能性があります)。

追加給付の可能性あるのは、下記の内容です。

【雇用保険関係】

「基本手当」、「再就職手当」、「高年齢雇用継続給付」、「育児休業給付」などの雇用保険給付を2004年8月以降に受給された方

【労災保険関係】

「傷病(補償)年金」、「障害(補償)年金」、「遺族(補償)年金」、「休業(補償)給付」などの労災保険給付や特別支給金等を2004年7月以降に受給された方

【事業主向け助成金】

「雇用調整助成金」の支給決定の対象となった休業等期間の初日が2004年8月から2011年7月の間であったか、2014年8月以降であった事業主等

雇用保険や労災保険が本来より少なく支給されたなどの理由で支給の対象になる人はすでに延べ約2千万人に上り、金額は合わせて500億円を超える可能性があると言われています。

関係のコンピュータシステムの改修や住所等の確認など正確な支給のための最低限の準備を経て、対象者の特定、給付額の計算が可能なケースから、できる限りすみやかに追加給付を開始することが予定されています。

なお、本来の額よりも多くなっていた人には、返還は求めない方針です。

 ●こうした追加給付に関して、会社側としては対象従業員に何かする必要はあるのでしょうか。

厚生労働省は、「事業主を通じて手続を行っていただいた継続給付に係る給付金についても、対象者の方に、直接、郵送等で通知する予定」としており、特に事業主が行う事務手続きは想定していません。

また、すでに退職した方で、失業手当(基本手当)等を受け取っていた方についても、会社が何か事務手続きを行う必要はありません。

追加給付の対象になる方のうちハローワークで住所を把握している方については、以前に登録された連絡先に今後手紙を郵送し、(1)追加給付の対象となっている旨、(2)追加給付額、(3)振り込み予定口座等を連絡し、振り込み予定口座等が確認できれば、口座振り込みで追加給付が想定されています。

ご不明点などについては、「追加給付問合せ専用ダイヤル」(受付時間  平日8:30~20:00/土日祝 8:30〜17:15)で対応しています。

雇用保険追加給付問い合わせ専用ダイヤル   0120-952-807

 (※事業主向け助成金の問い合わせも含む。)

労災保険追加給付問い合わせ専用ダイヤル   0120-952-824

 随時、厚生労働省のホームページでも進捗状況が公表される予定です。

 国の基幹統計調査において、このような事態が判明するとは思ってもおらず、年明け早々大変驚きました。昨年の通常国会では、裁量労働制をめぐる厚労省の調査データに誤りがあった問題もありましたが、真相究明と再発防止が強く望まれます。

 

※ この投稿内容は、発行日時点において明らかとなっている法律内容に基づき記載しています。

ぜひこのコラムに『いいね!』をお願いします↓↓


2019年01月17日

Backnmber