グレース・パートナーズ社労士事務所

佐佐木由美子のちょっと役立つコラム

現物給与価額の改定と計算方法

 

●こんにちは、グレース・パートナーズの佐佐木由美子です。

4月に入って、契約社員から無期転換の申し込みを受けている企業もあるのではないでしょうか。

しかし、意外とまだ知られていない現状も見受けられます。

日経ウーマンオンラインに、無期転換に関する記事を公開していますので、ぜひご覧ください。

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【大切なのに意外と知られていない「無期転換ルール」】

http://wol.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/179201/041900090/

●今回は、現物給与の改定について取り上げてみたいと思います。

社会保険料(標準報酬月額・標準賞与額)を算定するにあたり、報酬や賞与の全部または一部が、通貨以外のもので支払われる場合、その価額を厚生労働大臣が定めることとされています。

通貨以外のもので支払われるものを「現物給与」といいますが、具体的には、食事や住宅、自社製品、通勤定期券などをさします。

平成30年4月から現物給与価額が改定され、すべての都道府県において、食事の現物給与価額が変更となりました。

●現物給与<食事>

食事の現物給与は、本人負担額が厚生労働省告示による現物給与価額の3分の2に満たない場合は、「現物給与の価額-本人負担分」を報酬または賞与として算入しなければなりません。

一方、3分の2以上に相当する額を本人が負担している場合には、現物による食事の供与はないものとして取り扱われ、報酬または賞与として算入されません。

食事の現物給与の計算例は以下のとおりです。

□東京の会社で昼食を20日現物支給した場合

1か月当たりの現物給与価額(昼食のみ240円/日×20日)・・・4,800円

1か月当たりの現物給与価額の3分の2・・・3,200円

・本人負担額が3,300円の場合
1か月当たりの現物給与価額の3分の2である3,200円以上
→ 現物給与は0円

・本人負担額が2,500円の場合
1か月当たりの現物給与価額の3分の2である3,200円未満
→ 現物給与は4,800円-2,500円=2,300円

・本人負担額が0円の場合
→ 現物給与は現物給与価額である4,800円

●現物給与<住宅>

住宅による現物給与を計算する際、まず居住用の室を確認する必要があります。

居住用の室とは、居間、茶の間、寝室、客間、書斎、応接間、仏間、食事室などをいい、玄関、台所(炊事場)、トイレ、浴室、廊下、農家の土間などの居住用ではない室は含めません。

また、店、事務室、旅館の客室などの営業用の室も含めません。

住宅の現物給付の価額は、畳1畳の金額で示されているため、居住用の室の表示が平方メートル単位である場合は、1畳を1.65平方メートルとして畳単位に換算します。

住宅の現物給与の計算例は以下のとおりです。

□東京の会社で33平方メートルの住宅の場合

1か月当たりの現物給与価額(33平方メートル÷1.65×2,590円) ・・・51,800円

住宅の家賃等を自己負担している場合は、現物給与価額から自己負担額を差し引いた額が現物給与となります。

例えば、上記の例で自己負担額が35,000円の場合、現物給与は51,800円-35,000円=16,800円です。

住宅の場合は、食事の場合とは異なり、自己負担額が現物給与価額の3分の2以上であっても現物給与が0円とはならない点にご注意ください。

●食事、住宅以外の現物給与は、原則として時価に換算します。

その他の留意点として、現物給与価額の改定は、固定的賃金の変動に該当するため、随時改定(月変)に該当する可能性がある点に注意が必要です。

※ 現物給与の価額に関して規約で別段の定めをしている健康保険組合が管掌する被保険者については、当該規約の定めによる価額の変更がなければ、随時改定の対象にはなりません。

現物給与の取り扱いについては、社会保険における独特な考え方がありますので、正しく社会保険料が算定されるようにご注意いただきたいと思います。

 

※ この投稿内容は、発行日時点において明らかとなっている法律内容に基づき記載しています

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2018年04月27日

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