グレース・パートナーズ社労士事務所

佐佐木由美子のちょっと役立つコラム

経歴詐称の従業員を雇わないために

 

こんにちは、社会保険労務士の佐佐木由美子です。
ようやく春らしい陽気となり、桜の花も少しずつ見られるようになってきました。

先日、某有名コメンテーターの方が経歴詐称で番組降板というニュースが報道されていました。
経歴詐称の問題は、この仕事をしていると時々遭遇します。
たとえば、過去の職歴において勤続年数を多く申告していたり、大学中退を卒業と偽っていたり、退職理由を変えていたり…と、様々な詐称のケースがありました。
こうした問題を防ぐには、経歴詐称の問題社員を雇い入れないことですが、今回は、企業としての留意点についてお伝えします。

 ●採用選考時に提出する履歴書や職務経歴書の記載、また採用面接において、学歴や職歴等を偽って申告したり、真実を秘匿したりすることを「経歴詐称」といいます。
使用者が雇用契約の締結に先立ち、労働者の経歴その他労働力の評価にかかわる事項等について、必要かつ合理的な範囲で申告を求めた場合、労働者は自己の経歴等について真実を告知すべき義務を負います。
あなたの会社の就業規則においても、経歴詐称は懲戒解雇や普通解雇事由として規定されているのではないでしょうか。
懲戒解雇を認め得る根拠としては、会社を騙したという不正行為により、信頼関係を壊してしまう信義則上の問題が挙げられます。
さらにいえば、給与や人員配置など日本の人事管理体制が、学歴や職歴などを大きな要素としていることもあります。
ただし、経歴詐称であれば直ちに解雇できるわけではありません。
あくまでも真実を告知したならば採用されなかったであろうという採否の決定や採用後の労働条件に大きく影響を及ぼす「重大な経歴詐称」の場合に、懲戒解雇が認められる裁判例が多いといえます。

 ●こうした問題を防ぐために、まず採用時のプロセスにおいて、内定を出す前に厳しい審査が必要です。
業務に必要となる資格に関しては、証明できる書面等の原本を確認することはもちろんです。
中途採用で職歴がたくさんある場合に、すべて職歴の確認を取ることは難しいといえるでしょう。
少なくとも前職の勤務先においては、証明書を提出してもらい、勤続期間や退職理由などを確認しておくのが望ましい対応です。
法律では「労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない」と規定されています(労働基準法第22条1項)。
したがって、すでに退職している方については、証明書の提出を求めることは可能です。

もし、スムーズに証明書が提出されないときは、何らかのトラブルが元勤務先との間であったとも考えられるため、ひとつの判断要素になるでしょう。
もちろん、本人が話していた状況と事実が異なる場合は、証明書自体を提出することで経歴詐称が明らかになってしまうこともあるので、本人から辞退することも考えられます。
実際に、証明書の提出を求めた際に、詐称問題が発覚したケースもありました。

また、募集する人材についてどのような学歴、経歴、資格等が必要であるか明確化するとともに、それに応じた人事管理がなされていることを明らかにするために人事管理体制を整備することも大切です。
履歴書や職務経歴書で不審に思うところがあれば、健康状態も含めてきちんと面接時にしっかりと確認し、本人の申告内容について記録を取っておくことも大切でしょう。

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2016年03月25日

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