グレース・パートナーズ社労士事務所

佐佐木由美子のちょっと役立つコラム

賞与の社会保険料を徴収する/しない

 

こんにちは、社会保険労務士の佐佐木由美子です。

関東では梅雨入りして、曇り空が続いています。暑くても、太陽のギラギラとする日差しがつい恋しくなってしまいます(笑)。

さて、6月から7月にかけて、夏季賞与の支払いをされる事業所様は多いことと思います。そこで今回は、間違いやすい賞与の社会保険についてお伝えします。

 

平成15年4月から総報酬制度が導入され、賞与からも額面に料率を掛けて求めた社会保険料が徴収されるようになりました。

まず前提として、社会保険料の徴収対象となる賞与とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償として受けるもののうち、年3回以下の支給のものをいいます。

年4回以上支給されるものは標準報酬月額の対象とされ、労働の対償とみなされない結婚祝金等は対象外です。

ご参考までに平成28年6月現在の社会保険料率は、厚生年金保険(17.828%)と健康保険(9.96%※東京都40歳未満の場合)の本人負担分が13.894%。

額面50万円の賞与にかかる社会保険料は、69,470円となります。

40歳以上の方はさらに介護保険料(1.58%)の本人負担分0.79%、3,950円が加わります。

給与担当者が賞与の計算するときに、支給対象者に退職予定者や休職者が含まれる場合には少し注意が必要です。

 

まず、賞与支給月に退職する予定の社員に賞与を支給する場合は、退職日をチェックします。

退職日が月末か否かで、社会保険料の徴収有無が変わるためです。

・退職日が賞与支払月の末日=賞与から社会保険料を徴収する

・退職日が賞与支払月の月の途中=賞与から社会保険料を徴収しない

上記の違いが発生する理由は、資格喪失日の前月まで社会保険料を徴収する必要があるためです。

ここで大事なのは、社会保険における資格喪失日は「退職日の翌日」であることです。

そのため、月末退職と月途中退職では資格喪失日の月が異なり、社会保険料の徴収有無に違いが生じるのです。

・退職日が月末=退職日の翌日である資格喪失日の月は賞与支払月 ⇒ 賞与から社会保険料を徴収する

・退職日が月途中=退職日の翌日である資格喪失日の月は賞与支給月の前月 ⇒ 賞与から社会保険料を徴収しない

月次給与における退職月の社会保険料の徴収有無についても、同様に対応します。

以下のポイントを押さえておけば、悩むことはありません。

・社会保険料の資格喪失日は退職日の翌日

・社会保険料は、資格喪失日の月の前月まで徴収する必要がある

 

次に、休職者に賞与を支給する場合です。

休職者のうち、産前産後休業と育児休業(子が3歳まで)の取得者は、年金事務所等に届け出ることで社会保険料が免除されることはご存知だと思います。

賞与の社会保険料も免除の対象となります。

産前産後休業と育児休業の免除期間は、それぞれ休業開始日の月から休業終了日の翌日の月の前月までです。

ここでも休業終了日が月末か月途中かにより、社会保険料の徴収有無が異なりますので注意が必要です。

・休業終了日が賞与支払月の末日=賞与から社会保険料を徴収しない

・休業終了日が賞与支払月の月の途中=賞与から社会保険料を徴収する

休業開始日前に賞与を支給した場合でも、休業開始月に支給する賞与からは社会保険料を徴収しません。なお、私傷病休職等により休職している場合は免除対象となりませんのでご注意ください。

 

資格喪失月に支払われた賞与や保険料免除期間に支払われた賞与は保険料の徴収対象とはなりませんが、標準賞与額として決定し、年度の累計額(健康保険は年度の累計額573万円、厚生年金保険は1ヶ月あたり150万円が上限)に含める点に注意が必要です。

そのため、賞与支払届には、賞与から保険料を徴収していない退職者や休業者も含めて、支給日から5日以内に年金事務所(健康保険組合の事業所は、健康保険組合も)に提出します。

ただし、退職日後に支給した賞与は、賞与支払届を提出する必要はありません。

※ この投稿内容は、掲載日時点の法律等に基づいて作成しています。

 

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2016年06月13日

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