グレース・パートナーズ社労士事務所

佐佐木由美子のちょっと役立つコラム

退職者に賞与を支払うときの留意点

 

こんにちは、社会保険労務士の佐佐木由美子です。

ごきげんいかがですか? 紫陽花がきれいに色づく季節になってきましたね。

さて、6月から労働保険・年度更新の申告も始まり、7月は算定基礎届の提出と、実務担当者にとっては忙しい時期だと思います。

さらに、この時期は夏季賞与を支給される会社も多いのではないでしょうか?

そこで、今回は、「賞与を支払うときの留意点」についてお伝えしたいと思います。

会社が、年3回以内の賞与を支払うとき、健康保険・介護保険(40歳以上)・厚生年金保険料の社会保険料と、雇用保険料を徴収します。

保険料率は、給与と同じ率で、支給日より5日以内に「被保険者賞与支払届」を年金事務所等へ届出します。

賞与から徴収する社会保険料は、将来受給する年金額の計算に含まれますので、忘れずに届出を行ってください。

 

ところで、ボーナスをもらった後に退職する・・・というケースもあるでしょう。

そもそも、退職する人に賞与を支給するかどうか、この取り扱いについては、基本的に「就業規則」に定められていますので、社内の規定を確認ください。

賞与を支給する月に退職する人がいる場合、「社会保険料を徴収するのか?しないか?」と迷うことはあるかと思います。

実際に、間違いやすい実務の一つですので、ここで確認しておきましょう。

社会保険では、「資格喪失日」という言葉をよく使いますが、資格喪失日=退職日の翌日を指します。従って、資格喪失月というと、「退職日の翌日が属する月」を指します。

賞与を支払った月に退職する社員がいるときは、退職日によって社会保険料を徴収する場合と、しない場合があります。

着目したいのは、月末退職か、月の途中退職か、という点です。

 

たとえば、賞与支給日が7月10日で、月の途中である7月20日に退職した場合、資格喪失日は、7月21日となり、7月が資格喪失月となります。

この場合、賞与から社会保険料は徴収しません。

一方、月の末日である7月31日に退職すると、資格喪失日は、8月1日となりますので、8月が資格喪失月となります。

この場合は、賞与から社会保険料を徴収しなければなりません。

社員が負担する保険料は、被保険者資格を取得した日の属する月から喪失月の前月分まで発生するからです。

ここで注意したいのが、月の途中に退職して、賞与から社会保険料を天引きしない場合です。

社会保険料を徴収しない人は、「賞与支払届」も作成しない、と思っている方も多いようですが、社会保険料を徴収しなくても、賞与支払届の提出は必要となります。

この点は、くれぐれもお間違えのないように気を付けてください。

 

しかし、なぜ、社会保険料を徴収しないのに、わざわざ賞与支払届を提出するのでしょうか?

それは、賞与にかかる社会保険料には、“上限が設けられている”からです。

健康保険料については、年度(4月1日~翌年3月31日)の賞与累計額が540万円、厚生年金保険料について1回あたり150万円が上限となります。

この累計額は、転職しても、転職先の保険者(協会けんぽや健康保険組合など)が同じであれば、1年間の累計額に合算されるため、保険料を徴収しない場合でも賞与支払届を提出する必要があるのです。

 

不要なトラブルを避けるために、しっかりと準備、処理をしていきましょう。

社員の社会保険の手続きについて、何かご不明な点や疑問に思われている点などございましたら、お気軽にご相談下さい。

 

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2014年06月16日

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