グレース・パートナーズ社労士事務所

佐佐木由美子のちょっと役立つコラム

過重労働解消キャンペーンから見る留意点

 

こんにちは、社会保険労務士の佐佐木由美子です。
皆さま、お元気でしょうか。桜も散り、爽やかな新緑の季節となりました。
表参道を歩いていると、ケヤキ並木の新緑がまばゆく感じられます。

さて、雇用保険法の改正により、4月1日から雇用保険料率が引き下げられました。

この機会に、各種保険料率の最新情報をご確認ください↓

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● 厚生労働省は、平成27年11月に実施された「過重労働解消キャンペーン」における重点監督実施状況を発表しました。

今回の重点監督は、長時間の過重労働による過労死に関する労災請求のあった事業場や、若者の使い捨てが疑われる事業場など、法令違反が疑われる事業場に対して集中的に行われました。

5,031事業場へ立ち入り調査を行ったところ、73.9%にあたる3,718事業場で労働基準関係の法令違反が判明。

是正勧告を行った事業場の主な違反内容は、違法な時間外労働(45.9%)を筆頭に、健康障害防止措置が未実施(13.4%)、賃金不払い残業(10.1%)となっています。

違法な時間外労働については、月200時間を超える事業場が38もありました。

健康障害防止措置が不十分で改善指導のうち、時間外労働を月80時間以内に削減するように指導したものは59.5%。

残業は80時間に抑えるという意識は、事業主に強く持って頂きたいところです。

これは、脳・心臓疾患の発症前1か月間におおむね100時間、または発症前2か月間~6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いとの医学的知見があるためです。

実際に是正監督・指導のあったケースのポイントを確認してみましょう。

ケース1:

会社は労働時間の管理を全く行っておらず、半数以上の労働者に月100時間を超える時間外労働を36協定の締結・届出なく行っていた。

→労働基準法第32条違反を是正勧告

→労働時間の適正把握を指導

→長時間労働の抑制について指導

→過重労働による健康障害防止について指導

ケース2:

深夜業に従事する労働者に対する特殊健康診断を行っていなかった。また、定期健康診断について個人票を作成していなかった。

→労働安全衛生法第66条違反を是正勧告

→同法66条の3の(健康診断の結果の記録)違反を是正勧告

ケース3:

会社は繁忙期である夏季に学生アルバイトを採用しているが、労働契約の締結にあたり、労働条件を書面で交付していなかった。

→労働基準法第15条違反を是正勧告

ケース4:

高校生アルバイト(年少者)に対して、時間外・休日労働を行わせてはならないにもかかわらず、最も長い労働者で月100時間を超える時間外労働を行わせていた。

→労働基準法第32条(労働時間)違反を是正勧告

→労働基準法第35条(休日労働)違反を是正勧告

→労働基準法第37条(割増賃金)違反を是正勧告

→不払いとなっている割増賃金の支払いを指導

→長時間労働の抑制について文書で指導

→過重労働による健康障害防止について指導

ケース5:

7割を超える労働者に36協定の特別条項で定めた回数(年6回)を超えて、違法な時間外労働を行わせていた(ほとんどの労働者が年11回)。

また、36協定の特別条項で定めた上限時間である月100時間を超えて月160時間(年788時間を超える1400時間)の違法な時間外労働を行わせていた。

なお、6割を超える労働者が月100時間を超える時間外労働を行っていた。

→労働基準法第32条(労働時間)違反を是正勧告

→特別条項付36協定の適正な運用について指導

→長時間労働の抑制について文書で指導

→過重労働による健康障害防止について指導

厚生労働省は、今後も月100時間を超える残業が行われている事業場などに対する監督指導の徹底をはじめ、過重労働の解消に向けた取組を積極的に行っていく方針です。

労働時間の管理と時間外労働への対応は、とても重要なポイントです。

くれぐれもこうした点に留意して、指導や是正勧告を受けないよう適切なマネジメントを行っていただければと思います。

 

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2016年04月22日

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