グレース・パートナーズ社労士事務所

佐佐木由美子のちょっと役立つコラム

<副業・兼業>モデル就業規則の改定とガイドライン

 

●こんにちは、グレース・パートナーズの佐佐木由美子です。

働き方改革法案の行方が気になる今日この頃ですが、少しずつ春を感じるようになりましたね。

働き方改革の一つに取り上げられている副業・兼業の促進普及について、今年1月には厚労省モデル就業規則が改定されるなどの動きが見られ、従業員サイドの関心も高まっています。

本日の東洋経済オンラインに、副業に関する記事を寄稿していますので、企業担当者の方はぜひご覧ください!

「副業自由化」で気を付けるべき落とし穴労働時間の管理に加え秘密保持や競業禁止も↓  ↓  ↓http://toyokeizai.net/articles/-/210345

● 厚生労働省は、「働き方改革実行計画」(平成29年3月28日働き方改革実現会議決定)を踏まえ、副業・兼業の普及促進を図っています。

平成30年1月には、副業・兼業の規定を改定した「モデル就業規則」と会社と労働者が法律を遵守し、副業・兼業を行うためにどのような事項に留意すべきかをまとめた「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が示されました。

改定前のモデル就業規則では「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」と副業・兼業について前向きな規定とはなっておらず、現状としても、多くの会社は副業・兼業を認めていません。

しかし、裁判例を踏まえれば、原則として、副業・兼業を認める方向とすることが適当であるとされ、政府もオープンイノベーションや起業の手段として有効であること、都市部の人材を地方でも活かすことによる地方創生に資する面があることなどをメリットに挙げて普及推進を図っています。

そこで今回は、「モデル就業規則」の改定点と「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の企業側の対応ポイントを確認したいと思います。

○ まず、モデル就業規則の改定点ですが、遵守事項の「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という規定が削除されました。そして、「勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」と、原則副業・兼業を認める内容にシフトされました。

ただし、すべての副業がOKとまでは定められていません。

本業の労務提供上の支障や企業秘密の漏えい、会社の信用・評価に支障が生じる場合等は、従業員の副業・兼業について禁止又は制限することが盛り込まれています。

そのため、事前の届出を原則とする内容とされています。

○ こうした点を踏まえ、会社はどのような対応を取るべきでしょうか。

就業規則の内容は各社の実態に合ったものとする必要があるので、副業・兼業の導入については、労使間で十分検討することが求められます。

裁判例においても労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは基本的には労働者の自由であることが示されていることから、副業を一律に禁止するのではなく、副業・兼業への自社の対応を再検討する必要があるといえます。

従業員からすれば、副業・兼業が認められる職場であるということは、働き方の柔軟性を高める意味でもインセンティブになり得るといえるでしょう。

実際に従業員が副業・兼業をする際は、労務提供上の支障や企業秘密の漏えい等がないか、長時間労働を招くものとなっていないかを確認するため、副業・兼業の内容等を労働者に申請届出させることが考えられますが、その際、必要以上の情報を求めることがないよう留意しなければなりません。

また、従業員が自社と副業・兼業先の両方で雇用されている場合は、労働時間に関する規定の適用について、本業と副業の労働時間を通算する必要がある点を理解しておく必要があります。

「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では、健康面での配慮も示されています。

健康管理について、使用者は従業員が副業・兼業をしているかにかかわらず、労働安全衛生法第66条等に基づき、健康診断・ストレスチェック等をしなければなりません。

対象者は少ないと思いますが、副業先でも一定要件以上の働き方をしている場合は、健康診断・ストレスチェックの義務が生じます。

使用者が労働者に副業・兼業を推奨している場合などは、副業・兼業の労働状況も踏まえて、健康診断等の必要な健康確保措置を実施することが適当であるとされています。

加えて、副業・兼業者が働き過ぎにならないよう、使用者は自社と副業・兼業先の労働状況を勘案し、時間外・休日労働の免除や抑制等を行うなど、それぞれの職場で適切な措置を講じることができるよう労使で話し合うことが適当とされています。

なお、副業・兼業先での働き方に関する企業の安全配慮義務について、現時点では明確な司法判断は示されていませんが、使用者は労働契約法第5条に規定されている安全配慮義務に留意が必要とされています。

このほか、実務上では労災保険における取り扱いや、雇用保険、社会保険の適用要件の違いなどにも留意する必要があるでしょう。

そういった意味では、副業が労働契約であるか、業務委託契約であるか、という点もポイントとなります。

 

※ この投稿内容は、掲載日時点の法律等に基づいて作成しています。

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2018年03月02日

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